交通サービスの“オール・インワン”アプリ「随申行」がリリース
▶交通サービスがオールインワン
MaaS(マース)という言葉がある。「Mobility as a Service」の略で、「サービスとしての移動」を意味する概念だ。人々の移動ニーズに対応して、複数の公共交通やその他の移動サービスを最適に配置していくーーそんな新たな社会インフラの整備に向けて上海市がいま大きな一歩を踏み出している。
MaaS(マース)をコンセプトとする世界初のアプリとの呼び声が高いのが「随申行」だ。現時点ではあくまで市内での利用に限定されているが、散在するモビリティサービス(交通手段)を統合したオールインワンアプリと言って差し支えない。
▶散在するコードを一本化
「随申行」アプリでは、これまで健康コード、路線バスや地下鉄のコード、場所コードといったように、それぞれの状況で使い分けてきた複数のQRコードが、一つだけで事足りるようになる。すでに正式配信が開始。Android版の場合は中国国内向けのアプリストアから入手する。
インターフェイスは中国語のみとなっており、トップ画面には公共交通、配車サービス、駐車という3つの機能ボタンが設置されている。公共交通で現在カバーしているのは1,560以上のバス路線と17艘のフェリー交通で、バスの到着予定時間が把握できる機能も備わっている。
配車サービスでは全市のタクシーのリソースを統合化した「申程出行」との連携が図られている。また、駐車サービスでは市内にある4,300以上の駐車場(車庫)および料金所の駐車スペースや89万の公共スペースを利用することができる。
▶年内に地下鉄を正式カバー
公共交通のサービスのうち軌道交通については、地下鉄10、13、14、15、16、17、18号線、浦江線、リニアモーターカー線、5号線(東川路~奉賢新城)、9号線(芳甸路~曹路)でテスト運用が行われている。5万人限定でモニターを設け、指定路線での利用体験の機会を提供している。ただし、テスト運用中は乗車駅と降車駅がともに指定された路線である必要がある。
今後予定されているアプリ開発では、今年年末までに上海の地下鉄全線が正式にカバーされそうだ。おそらく外国人ユーザーがアプリを利用できるようになるのもこの当たりのタイミングではないだろうか。現時点では、残念ながら各機能を利用するために必要な実名登録(アリペイのアカウント、銀行カードとの紐づけ)の操作が外国人のパスポート番号ではできない。
▶2025年の“完成”目指す
同アプリの将来像として青写真に描かれているのが「"統合グリーンモビリティプラットフォーム"(绿色出行一体化平台)」である。地図サービス、バスの発着、スマート駐車、シェアリングバイク、タクシー、充電スタンドを統合し、さまざまな予約サービスの利用が可能なプラットフォームの構築を見据えている。対象エリアも浙江、江蘇、安徽の長江デルタに広がる見通しだ。達成目標年は2025年。Maasはすでに現実のものとなりつつある。(耕雲)
“随申行”APP上线:公交、打车出行、智能停车等“一键达”!
上观新闻 2022-10-11 17:37
https://sghexport.shobserver.com/html/baijiahao/2022/10/11/877174.html